みらいへ博多ー長崎 新人研修

みらいへ博多ー長崎 新人研修

 

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今年もこの時期がやってきた。毎年、ドラマチックな航海が待っている帆船みらいへ、博多ー長崎4泊5日の新入社員研修航海。

自分たちの力で博多を出港しゴールの長崎を目指すという航海。

航海中、新入社員のみんなは船のこと、舵取り、航海計画、食事の用意、掃除まで全部やる。

仲間と協力し、長崎まで帆船を走らせていく中で、協力すること、リーダーシップ、自分のこと、人との関わりを実践的に学んでいくプログラム。

研修航海の中でも気をつけなくちゃいけないことは、新入社員の彼らは「帆船に乗りたくて乗っているわけではない」ということ。

 

インストラクターとして関わる僕たちスピリット・オブ・セイラーズのメンバーは彼らにとって良い研修になるように精一杯力を入れて参加する。

 

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研修初日、彼らの頭の中は初日から不安と戸惑いでごちゃごちゃになっているはず・・

乗りたくて帆船に乗り込んだ人でもたくさんのロープと専門用語の嵐に圧倒されるのにさらに、

 

停泊でも揺れている船。

船の独特のルール。

節水。

禁酒・禁煙・禁携帯。

船上でプライベートな空間はベットのカーテンを閉めたときのスペースのみ。

専門用語のオンパレード。

全部名前と機能が違う100本以上のロープ。

縄ばしごで登るマストの上

 

初めてのことが多すぎて緊張の連続の初日が過ぎていった。

 

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2日目からは自分たちで船の動かし方をどんどん覚えてもらっていく。

笑顔が絶えない良い雰囲気の中船は沖に出ていく。

 

船酔いしてる人も出てきた。

 

 

風で走るための帆走概論の講義。デッキでやるのがなんかオシャレ。

みんな真剣に聞く。

 

航海は24時間体制で行われるため、4泊5日でも、ものすごく長く感じる。

 

しかし彼らはすごい。船のことをどんどん吸収していく。

 

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3日目、船はエンジンを使わず風のみで長崎を目指す。

風が弱く、行きたい宝庫に船が進まない。潮の流れに翻弄されて船は長崎とは逆に流されていく。

どうしようもない状況に船内の雰囲気もどんよりと暗くなっていく。聞こえてくる会話も後ろ向きな単語が耳につく。

 

夜、少し風が吹いてきて船がそろそろと進み始める。しかし長崎とは進む方向が違う。

方向を変えなくてはいけない。

理論ではわかっている方向転換、舵を切り船の針路を変えると、今度は帆の角度も変えなくてはならない。

大きな帆船の方向を変えることは実はとても大変で一筋縄ではいかないことが多い。

 

僕は立ち会いながら「できるのかなぁ・・」と半分は諦めていたように感じている。

ガタン。船の方向が変わった。長崎に針路が向く。

 

すごい。

 

乗って3日の若者たちが見事に船を動かして、目的地に向かっている。

自分たちがどれだけ難しいことをやってのけたのかわからずに長崎に船が向かっていくことを素直に喜んでいるみんなを見て心が熱くなる。

 

 

この夜、風が吹き、船は5ノットのスピードで長崎に快走した。

 

自分たちで船を目的地に向けることができた彼らに笑顔と自信が戻っていく。

 

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彼らは課題の時間には約30分遅れて到着したが、長崎まで 船を帆走らせ、毎年行われる長崎帆船パレードに堂々と登檣礼という帆船での最高儀礼で入港できた。

入港しても彼らの研修は終わらない。ウォーキングセクションとして60キロを夜間歩き通すという過酷なセクションがまだ残っている。

彼らは60キロウォークに向けて準備を始める。

 

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夜10時、彼らを送り出す。これで僕らセイリングセクションの研修は終了する。

ウォーキングセクションでどんなことがあるのか僕らセイリングセクションのインストラクターは知らない。

次の日の夕方彼らはボロボロになって帰ってくる。足を痛める人、腰を痛める人、互いに肩を借りて歩いてくる。

けれど彼らは笑顔で「ただいま!」といってくれる。

 

セイリングセクションが終わると、彼らの研修に僕らインストラクターはセイリングセクションで何か伝えられているのか、いつも自問する。答えはないのでわからないけれど、船に笑顔で「ただいま」と帰ってきてくれることはとても嬉しいこと。

 

最初、彼らに船での経験は不安と戸惑いを与えたはず、けれどそれを乗り越えて航海を成し遂げた後、60キロの距離を歩き切った彼らにとって、船は「ただいま」といえる安心できる場所にまでなった。たった数日で自分の経験と幅を大きく成長させた彼らはとても頼もしく見える。

彼らにはこれからたくさんの新しいこと、戸惑うこと、ワクワクすること、不安になることが訪れると思う。そんなとき、この船で起こったことを思い出して「これは、自分がいま新しい世界に飛び込んで、成長していることなんだ。」って思ってくれればいいなと思った。

 

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カイ

 

 

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