冒険に飛び込む
帆船乗りたちの海水浴・・!!
海水浴してきました!
9月だし寒いかな、台風くるかな・・でもやろう、と思いきって日程を決めましたが、暖かくて丁度いい気温でした!
1年ぶりの日本での航海にドキドキして、当日まで何度もプログラムを作り直しているうちに「海に入れなかった時」バージョンも出来てましたが今回は出番なし!やったー!
今回は、いつも船長や経験豊かなクルーが決断している航海計画を、集まったみんなで知識と技術を渡し合いながら計画して実際に航海をする一日でした。
距離、時間、行き先、今の天気、安全規定。全体的な視点から計画を立てていきます。
なんと、時間がないクルーが海水浴をする為に出した決断は「大瀬崎への行きはエンジンフル回転のモータリング!帆走なし!」見たことない速さでアミが大瀬崎の岬へ向かいます。
大瀬崎手前で待ち合わせしていた私たちメンバーのヨットが、猛スピードで来る帆船アミに驚いていました(笑)
今回の昼食はそれぞれ缶詰持ちより式!
スパムやあんこ、しぐれ煮、スモークのきいたお魚等々、熱い想いとこだわりに、全部味見したいけど全くしきれないサンドウィッチができました!
岸壁から海に飛び込んで、あがってきてはサンドウィッチを食べ、お会いしたヨットから差し入れも頂き・・ありがとうございました!
帰り道は絶対にセイリングするぞ!!
裸足でマストに登っている強者もいました!痛くないのか!
セイルも、クルーで号令をかけ確認しながらひらいていきます。
エンジンを止めて静かな中、風と水をきっていく音だけのセイリング。
正直港に帰る時間が来ていましたが「もうちょっとこのまま」と思いました。
「3分この時間を味わおう」という言葉をクルーからもらい、みんなで風に吹かれていました。
最後にみんなで「一番心が動いた瞬間」「ゲストを迎える時にどういう航海にしたいか」を話していきました。
なるほど・・と思ったり、正直だな!!というお話が沢山でした。
今回は「ゲストにとって満足度の高い航海とは」が一つのテーマでしたが、私は今回「当日までのシミュレーション度合いで航海の90%が決まる」との気持ちを深めました。
シミュレーションをするのは、当日海に出たら海と船の状況を受けとめる中でやれることをやるしかないから。
帰りは船を静浦港へ回航している時に、赤く染まっていく海を見ながらそんなことを思っていました。
最後に、クルーの皆さんがメールで送ってくださった感想の一部をのせます。
・満喫しました!最高でした!
・風の力で船が走っていることを体験できてとても満足しています。エンジンとは違い、こんなにも穏やかに大きな乗り物が動いていることに また自然の力に感動しました。
・みんなで海図を見て航行ルートを決めるワークにも感動しました。
・初めての方々なのに、また会いたい!と思うくらい「仲間」になれたように感じました。
・常に何かしら新しい、普段気がつかない点を指摘してくれるので、例えば、今回の食材持ち寄りサンドイッチなど。
・ムードメーカーが非常にいい
船長、インストラクター、冒険に飛び込んでくださったクルーのみなさま、楽しい時間を本当にありがとうございました!
また一緒に面白いことをしましょう! !
エリ
9月24日の訓練航海に参加するみなさんへ
みなさんこんばんは。訓練航海が近づいてきましたね。
今日は訓練について少し触れていきたいなと思っています。
前にも書いたけど、「訓練」て聞くと「厳しい」「つらい」何てイメージがついてくるのかなと思ったりしますが僕たちスピリット・オブ・セイラーズの「訓練」は楽しくて夢中になれることを目指しています。
なんだそりゃって思う人もいるかもしれませんが、僕たちの訓練の先には必ずゲストが想定されています。ゲストのために、帆船に乗ってきてくれた人にここでしかできない海洋冒険を、今日という短い時間思い切り海を舞台に安全に楽しんでもらいたい。
そんな思いからくる訓練航海。
だからクルー自身もゲストの気持ちになれる様な、「ああ。ゲストもこんな気持ちになれたら素敵だな」「ゲストとこんなことを共有したいな」ってことがクルー、一人一人にみつかったらうれしいなと思っています。
そんな訓練航海、今回は初めて帆船Amiに乗船される方も訓練に参加します。
みなさんと一緒にどんな航海になるか今からとても楽しみです。
今回の訓練航海、セイリングマスターはエリ、僕はインストラクターとしてマスターの補助で乗船します。
毎回、訓練航海にはテーマがありますが、今回は「ゲストのための海水浴」どうすれば安全に、そして満足度の高い航海ができるんだろうか。
刻一刻と変化する、天候、ゲストの状況、クルーの練度、時間内に無事帰港しなくてはならないプレッシャー。
たくさんの課題が一つの航海には課せられています。一つの航海を成し遂げるとは一体どんなことなのかを乗船する前に想像してみてください。
航海に出ればその全てが本物です。そしてその全てに関わることになるのがあなた自身です。
だから思い切り楽しんで、思い切り悩んで、自分で感じて、自分で試して、この航海に思い切り取り組んで自分のものにしてもらいたいと思っています。
なんんだかんだ、教えてもらうより、自分で感じたり考えたりが一番身につくと思ってます。
みなさんに会えることをとても楽しみにしています。
僕たちメンバーは23日に沼津港に船を移動し、一晩沼津港で過ごします。
時間のある人は一緒に飲んだりしてお話ししませんか?帆船で待ってます。
帆船バカ
10月13日夜中出航「海の真ん中で星が見たい!!」開催!(11月24日へ延期)
海の真ん中で星が見たい!!
自分は小さい時から都会に住んでいて周りには常に建物、星は一切見えずという生活をしてきました。
なので!今回は夜の航海をして建物が一切ない海の上で満天の星空を見ようと、このテーマを掲げました!
今まで味わったことのない景色と感動を体感できれば良いなと思ってます!
リョーム
こんにちはカイです。
今回の航海、セイリングマスターはスピリット・オブ・セイラーズ一番の若手、リョームです。
僕たちの航海はセイリングマスターと言われる航海の企画、運営を行う役割を中心に作られていきます。
リョームは今回初めてのセイリングマスター。僕は大島のチャレンジから彼の中で「何かもっといろいろチャレンジしてみたい」という気持ちが高まっていることを感じていて、彼から聞かれる言葉からもとても魅力的な航海ができるのではないかと思っていました。少し早いかもしれないと思いましたが、思い切ってリョームに今回セイリングマスターをやってもらう事にしました。
何もかも初めてのセイリングマスター。どこから手をつけていいのかわからないだろうと思い、ミーティングをする事にした。
自分が企画する航海をするとしたらどんなことしてみたい?楽しいこと思うこと、みんなとこんなことしてみたい!ってあるかな。
「夜航海がしてみたい」
「自分で釣った魚をさばいて朝ごはんとか作ってみたい」
「天文航法について学びたい」
「友達を航海に誘いたい」
「星空が見たい!流星群らしいです」
色々あるね!そのなかで、一番やりたいことってなんだ?
「夜航海です」
夜航海で何がしたい?
「星をみたい。海の真ん中で、真っ暗で満点の星が見てみたいです」
海の真ん中で星が見てみたい!かぁ。僕が海に初めて出た理由も同じだったことを思い出す。
タイトルは決まったね。
何時くらいに出航にする?
「夕方、仕事が終わってからでもみんなが沼津に来れる時間てダメですかね?」
船に確認してみるよ。そうすると東京〜沼津だと2時間半はかかるから、終電近くなるね。23時出航かな。
魚釣るならトローリングとかかな?
最悪釣れなくても沼津の市場で美味しい海鮮丼が待ってるしね!
星の専門家とかも呼びたいね
天文航法にはどんなイメージを持ってるの?
やりたいこと、思ってること、ゲストに感じてもらいたいことを話しながら、メモしながら、リョームとエリとカイの3人でお茶しながらゆっくりと形にしていった。
自分たちの心が動くことを丁寧に形にしていけば、きっとみんなにも伝わるはず。自分たちはこんな世界を見ていたい。こんな世界をたくさんの人に広めていきたいという思いをきちんと持って、思い切り楽しいこと、心が動くことを続けていこうと思ってるよ。
だから、スケジュールがどうとか、集客がどうとか、細かいことは後から実現に向けてきちんと考えていこう。
まずは、自分が思う最高の冒険とこんなことしてみたい!と言う航海のタイトルを作ればあとのディテールはどんどん後から付いてくるよ。
ということをリョームに伝えたかった。
そんなことを続けていたら、めちゃくちゃ面白そうな航海が出来上がった。
スピリット・オブ・セイラーズにとっても初めてのこと盛りだくさんの夜の航海!リョームすげー!
ちなみにスケジュール的には
夜中出航→星見て→天文航法を学び→夜の海を満喫→朝ごはんのためのトローリングを開始→さばいて朝飯!(リョームはメンバーで一番魚をさばくのがうまいです)→朝、沼津市場の岸壁で解散
今回借りることになる帆船Amiも夜の航海を快くオーケーしてくださり、天文航法(星をみて航海する方法)は若手(現役バリバリ航海士)の帆船乗りが手伝いに来てくれることになった!この秋から海王丸に乗船する若手士官。
それもこれも、リョームの考えてることが面白いから。一緒にやったら楽しそうだからだと思う。
思い切り好きなことをすればいいと思う。好きなことをやり続けるにはしんどいことも真面目に取り組まなければいけない時がある。けれどやっぱりしんどいことも好きなことのためだから、意外と楽しめちゃうもんだよ。今やっていることが本当に自分のやりたいことであれば。
そんなリョームの「海の真ん中で星が見たい!」一緒に夜の海を体験しにいきませんか?
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「海の真ん中で星が見たい!!」
夜中出航!海の真ん中で星を見て、天体や天文航法を帆船乗りから学び、朝ごはんのための魚をとる・・!
朝、お刺身ががおいしい沼津市場の岸壁で解散です。
【お申込みはこちらから】
※お申込みは締め切りました。
折り返し詳細や支払い方法をご連絡いたします。
参加費用のお振込いただいた時点で予約完了となります。
お申込み締め切り10月5日(木)
〈日時・会場〉
2017年10月13日(金)23:00~14日(土)8:00
※11月24日(金)開催に延期されました。
静岡県 沼津港
*沼津港はJR沼津駅からバスで10分程度です。
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帆船バカ
公式ホームページが新しくなりました!
スピリット・オブ・セイラーズの公式ホームページが新しくなりました!!
大島から帰ってきてからずっと作っていました(笑)如何でしょうか?
今回英語ページもチャレンジして作りました!
英語に詳しい方!表現を変えた方がいい所はぜひ教えてください!
エリ
9月24日訓練航海に参加するみなさんへ。サンドイッチの話
9月24日訓練航海に参加するみなさんへ。サンドイッチの話
参加意思の表明、申し込みをしてくれてありがとうございます。行く気があって、まだ申し込みしてない人、迷ってる人、日程が空いてるなら、参加したらきっと面白いと思うよ。
訓練項目のなかに「クルーおすすめ最高サンドイッチを作れ!」ってあって、なんじゃそらって思った人も多いと思います。実際に問い合わせとかもきたりしてます「缶詰って何スカ?」
確かに・・・・
僕らスピリット・オブ・セイラーズで航海を企画する立場のメンバーはサンドイッチに結構な思いれがある。
帆船での航海は長いほどいろいろな事が起き、たくさんの素敵な場面に出会い、とても印象深い航海になると言われている。当たり前だよね。
僕たちは今、日本に帆船を根付かせたいと活動している。海外の帆船も経験して思った事は、帆船って面白い!みんなにもっと乗ってもらいたい!!ってこと。日本でも帆船を帆走してやろうぜ!!って。
長く乗れれば最高だよね。けど、そんなに休みがある人っていないし、学生は意外にみんな忙しい。
なんとか短い時間で帆船の素晴らしさを伝えられたり、航海すると言う経験を提供できないだろうかって、いつも頭をひねって航海を企画してる。
だから僕たちはいま、デイセイル(日帰り航海)にこだわって企画を作る事が多い。限られた時間の中でどこまで自分たちの感じている「自分の力で航海をする」という世界が伝えられるのかと挑戦している。
そこで悩むのがランチ。どこかに停泊してゆっくりとランチしてもらいたい。しかしそれだと航海の時間が中途半端になってしまい十分に航海を楽しんでもらえないかもしれない。
船での楽しみの一つが食事である事は間違いない。航海の醍醐味だ。みんなでワイワイとご飯を囲むのは本当に大事だ。おざなりにしたくない。けれど時間がない。そこで考えたのがサンドイッチを作るという事。
クルーどうしで食べるときは結構サンドイッチは重宝する。
・簡単、早い
・片手で食べられる
・見た目がおしゃれ
・材料だけ用意しておけばおかわり、少なめ、など量がそれぞれで決められる。
・どんな飲み物にも合う
そんな便利な完全航海食「サンドイッチ」
ゲストとも一緒に楽しめれば航海時間も潰さず、満足のいくランチが作れるのではないかと思ってる。
ゲストに出すものだから安全・安心で火をつかわず、調理しなくて良い保存食、しかも安価である事を考えるとサンドイッチの具は最高の保存食「缶詰」をつかって考えてみようと思いついた。
ちなみに、試しで作ったオイルサーディン缶サンドイッチ。野菜は家にあった玉ねぎと紫蘇ね。
うまい。
せっかくの訓練航海、訓練航海は自分のためでももちろん構わないけど、僕たちの担当する訓練航海は訓練に内容の先に必ずゲストがいる。だから自分が航海に出るときにゲストと共にみんなで食べたい、こんなサンドイッチなゲストも満足してくれると思う最高のサンドイッチの具を考えて、発表する!
サンドイッチって結構材料が余っちゃう事も多いよね。分量なんかも経験しておけばきっと役にたつ!
これも立派な訓練です 笑
ゲストのためにみんなで最高のサンドイッチを見つけてみませんか。訓練航海は9月24日。みんな缶詰持ってきてね!パンとかはこちらで用意しときます!こんなパンがいいとか希望とかあったら教えてくれると嬉しいです。
もちろんサンドイッチだけの航海じゃないですよ!いろいろあります!!
訓練航海は僕たちスピリット・オブ・セイラーズのインストラクターがいろいろ伝えたり、訓練内容を考えたりします。しかし、なんだかんだみんなで考える訓練が一番、身につく訓練になっていると思うんです。
だからいろいろと一緒に経験していきたいなと思っています。
帆船バカより
・・・サンドイッチか・・・?サンドウィッチか?
9月24日「帆船乗りたちの海水浴ー目指せ!ゲストの為のエメラルドブルー大瀬崎航海ー」開催!
今までスピリットオブセイラーズの航海は
「どこを通っているのか知らない間に到着するより、みんなで決めた航路を海図に書き込んで実際に行ってみたい」
「いつの間にかセイリングが始まっているより、みんなでロープを引いて帆が風を受けていくのを見たい」
そんな風にやってきました。
そして、8月上旬に大島海洋国際高校ヨット部の合宿をした時に、
「自分たちで決めてやることは、その結果も自分で引き受けることになる」
「・・・でも悔しさもバネも全部自分たちのものになる」
ことを感じました。
今回の訓練航海は集まったクルーで航路も、ひらく帆も、出艇するかどうかも、ランチも、お互い技術を渡し合いながら決めていきます。
来年の夏、大事な人を船に誘った時に、安全に自立的に楽しむには?
または、誰かをもてなしたい時に、ある状況の中で満足度を高めるには?
そして船の技術・知識・思考・姿勢。
帆船Amiに乗ったことのない方もぜひ来てください。
シドニーに行く前から、
「帆船Amiで海水浴に来たい」
と思っていたくらい大瀬崎の海、エメラルドブルーでとてもきれいです。
帰国後初の企画(セイリングマスター)の航海。
オーストラリアに送り出してくれた皆さんにお礼の気持ちを込めて!
帆船乗りたちの海水浴ー目指せ!ゲストの為のエメラルドブルー大瀬崎航海ー
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ミッション
1、クルーお勧めの最高のサンドウィッチを作れ!
2、渾身のロープワークを披露!
3、ゲストの満足感を高めるセイリングとは?天候から航
エメラルドブルーの海、大瀬崎にセイリングで海水浴に行
クルー全員が意見を共有し、決断して航海をすすめる、帆
安全かつスムーズに運航する為に必要な技術・知識・思考
参加者はクルーとして帆船の操船を体験し、自分たちの力
一般の方も参加できます。
【お申込みはこちらから】
※お申込みは締め切りました。
折り返し詳細や支払い方法をご連絡いたします。
参加費用のお振込いただいた時点で予約完了となります。
お申込み締め切り9月14日(木)
〈日時・会場〉
2017年9月24日(日)10:00~16:30
静岡県 沼津港
*沼津港はJR沼津駅からバスで10分程度です。
〈持ち物〉
船の上で寒くならない為の上着。
水着・タオル。
昼食用の缶詰。
帽子、サングラス等日射対策。
〈定員/最小催行人数〉
15名/3名
対象年齢・中学生以上
雨天の際は、室内にて航海計画をたてるプログラムとなり
帆船Ami号: http://
*帆船Ami号においてのイベント・航海を安全かつスム
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エリ
大島海洋国際高校、大島一周チャレンジ!!
「でーるぞーーーーっ!」
伊豆大島、波浮の港に声が響く。大島海洋国際高校セイリング部出艇の合図だ。
彼らは五日間、夏の部活合宿の中で大島一周にチャレンジした。
自分で目標を作り、自分たちで航海計画を立て、それを自分たちで実行する。
部活の合宿には似つかわしくない、大きなチャレンジ。
僕たちスピリット・オブ・セイラーズのメンバー3人はそれぞれこの合宿にインストラクターとして参加した。
インストラクターと言っても技術的な面を教えに来たわけではなく、「チームとして動くこと」「チャレンジすること」の意味、このチャレンジを通して、自分たちの部活動がチームとして動いていくきっかけを作りに来た。
大島に向かう前、天気予報は台風が近づいてきており、海況はよくない。大島に向かう船にも欠航が出るのではないかと不安になるくらい予報がどんどん悪くなっていく。
「大きな自然を相手にしたチャレンジに、小さなワークなんていらない」
そう言って応援してくれた人の声が聞こえる。
けれど、大島一周以前に、艇が出せるのかどうかすら怪しい。
合宿初日から、自分たちのこの合宿の目標設定、チームとしてのゴールを決めたりと今までの練習をバリバリやるやり方とは違う合宿にチームから戸惑いと期待を感じる。
天候への不安を持ちながらも全員が良いスタートを踏み出せた。
合宿中は朝08:20集合、昼休みを挟んで16:00か17:00まで練習。
19:00〜21:30までミーティングというギッチリのスケジュールだ。
チャレンジ中、練習内容は午前中は生徒自身で決めて、大島一周のための準備、航海計画、すべて自分たちで決めていく。体力的にもきつく、感情的になりやすいのではないかと心配していたことは起こらず、全員なんとか海に出てチャレンジを成功させたいという気持ちが伝わってくる。
大島の海は厳しい。港は崖に囲まれていて風が巻いてしまい、港からでれば大きなうねりが押し寄せる外洋だ。海況が許さず出艇できる日が少ない。航海計画も自分たちがどこに向かい、どんな海況のなか航海していくのか、レースの経験は豊富でも、航海の経験はほとんどない彼らにはイメージが難しく、とても苦労していた。
スケジュール的には限界、計画は道半ば、準備は整わなず迎えた大島一周のチャレンジ前日。大島一周を想定してに無理がないかトライアルを開始した。
海況はうねりが強く雨により視界も悪い。条件付きの出航。
この“条件付き”の条件は、学校の教官の指導の元に判断されて、生徒自身がまだ活動できると判断してもすぐに帰港(ハーバーバック)しなくてはならないと言うもの。
条件内容は
・2艇同時に沈(艇が倒れる)する
・視界不良と判断された時
・その他危険と判断した時
として教官から生徒にアナウンスがなされ、参加する全員で納得しての出航だ。
ヨット3艇、救助艇1艇、支援艇クルーザー1艇にそれぞれ乗り込み、出航した。
波浮港を出てすぐにうねりと強風に阻まれ、エンジンも付いていない小さなレース用ヨットは翻弄される。大島東側にある筆島まで向かう予定でいたが航走ることができない。
けれど誰も諦めない。
「予報は好転しているからこれがマックスのはずだ、だからきっと良い経験になる」
「正直、怖い。これが冒険ですか。カイさんがチャレンジする立場ならどうしますか?」
「今、見てること、起こっていることをちゃんとミーティングで伝えよう」
いろいろな感情が正直に言葉になって出てくる。
部長自らトライアル中断を判断し「ハーバーバック!!!」と全艇につたえた。
“技術的に未熟な部分がある” “計画に穴がある”
アドバイスという名の答えを彼らに手取り足取り教えて、なんとか一周できる技術を与えるのであれば僕たちインストラクターの出番はない。ここは海洋高校で、こんなにも恵まれた先生、設備、環境に囲まれている。
彼らの感情が動いていることがとても嬉しかった。
チャレンジすることの意味は、うまくやる方法を覚えることではなく、そこに起こる自分の感情の動きから自分を知り、なりたい自分を作る意思を固めて、その先のなりたい自分に進む過程だ。
彼らはチームをとして動く目標を掲げた。それに向かって進んでいけるに違いない。
最終日、状況は悪い。
ふたたび条件付きの出航。
出航条件に、先に支援艇での海況判断が追加された。
朝に出たとしても、大島を一周するというチャレンジの時間が長いために時間との勝負にもなってくる。
午前中に出航できなければチャレンジ自体が成立しない。
一回目の出航、うねり、強風、視界不良、条件が悪すぎる。
支援艇から帰港を判断。
諦めなければならないのか・・?
もっともっとチャレンジしてもらいたい。
しかし条件を外すには海況が悪すぎる。支援艇から「現在は3艇でているが救援体制が今の状況では弱く、出航許可ができない。メンバー構成を考え直し、2艇での出航ならば救援体制が強化されるため許可できる。」とアナウンスがきた。
出航できる!!できるぞみんな!!と叫びたい気持ちを抑えみんなの判断を待つ。
艇を減らすと言うことは、応援に来てくれた3年生は艇に乗る機会がなくなる可能性があるのだ。
彼らは全員の了解を得て艇を減らし、2艇での出航を決定した。
時間は11:00これを逃したら日没までに帰ってくることはできないため、もうチャレンジできない。
出航。
さっきより波が高くなっている。支援艇自体も大きな波での航行が困難なほどだ。
部長が支援艇に乗り込み、全艇に指示を出していく。
「今は三年生が乗っているからまだいける。このまま続行したい」
との申し出に
「三年生が乗っているということは、メンバーとしては最高の状態。いわば切り札だ。
切り札が残っていない状態での大島一周は危険すぎて中断の判断をせざるをえない」
生徒と支援艇の判断が割れた。
「インストラクターとしては判断が割れた場合、海の上では中止するというのが決まりだ。ハーバーバックをかけよう。いいかな。」
部長が「はい。」
と言い無線でハーバーバックをかける。
今回、大島一周チャレンジは成功とはならなかった。
戸惑いの中、自分たちで航路を切り開いていく過程を経験した彼らはどんな想いだろう。
片付けを終え、振り返りの時、「悔しい」「残念だ」という感想の中に
「またやりたい」
「チャレンジしたかった」
「最初はなんの意味があるかわからなかったけど、一つ一つに意味があることがわかった」
「チームとして協力できた」
「先輩と仲良くなれた」
「あっという間の五日間でチームとしても個人としても成長できた」
「意見の少ない部活だったけど、意見が出るようになった」
という感想が笑顔とともに出てきたことがとても嬉しかった。
セイリングの皆さん本当にお疲れさまでした。皆さんのチャレンジする姿勢にとても感動しました。
また、このような私たちにとっても大きなチャレンジに関われるチャンスをいただき、私たちのプログラムにご理解をいただき、多くのご協力をいただきました先生方にお礼申し上げます。
そして五日間、共に考え、助けてくれたインストラクターの仲間にありがとう、これからもよろしく!と伝えたい。
みなさん、本当にありがとうございました!!
帆船バカより