ヨットと帆船の違い

ヨットと帆船の違い

 

「ヨットと帆船は何が違うの?」深夜の中華料理屋。
よく聞く質問を受けた。

 

カイ 「同じですよ、セイリングボートですから。ヨットって言葉は本来は「個人が遊び用に使う船」というような意味で、モーターボートでも「ヨット」ですし、日本では小型のセイリングボートをヨットって呼んでますよね。」

 

「違うんですよ。カイくんがいつも話している、セイリングや、海の素晴らしさ、人との関わりや、成長の機会、自然科学への興味、生きる力をヨットでは体験できないのですか?という事です」


カイ 「できますとも。モーターボートでも、漁船でも、ビーチでも、居酒屋でもそれはできます。やり方は場所や、環境によって変わると思いますが。」

 

「ではヨットなら安くていいんじゃないですか?」

 

カイ 「うーん」「やはり帆船にこだわりたいですね。」

 

「なぜ?」

 

カイ 「乗船できる人数・航海の品質を守るためのスタッフの数・居住性・冒険心掻き立てられる外観・天候に左右されすぎない耐航性などです」

 

「うーん、帆船でなければならない理由が伝わってきません」

 

カイ 「うーん・・」

 

 

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そのあと帆船にこだわりたい理由を説明しようといろいろと言葉を尽くしてみたが、結局これだ!という納得は得る事ができなかった。

 

乗ってみると伝わりやすいんだけど、それじゃこれから乗った事ない人にアピールができないってことだよなア。

 

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そのあと、「ヨットではダメなの?」という言葉が自分の中になんだか残った。

 

 

しばらく「ヨットは帆船とは違う」という気持ち「では何が違うのか」という事ばかり数日考えた。答えは割りとすんなり出た、

「やっぱり、帆船もヨットも大きく違う事はない。ただし、セイルトレーニングというものを実践するには帆船が良い。」

 

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「ヨットは自分の感覚を投影・反映できるセイリングボートだ、難しい操船を覚え、自分の気持ちを操船に移す事ができるようになる事がヨットの面白さであり、気持ち良さ。ヨットの気軽さに繋がっていくんだと思う。」

 

 

「誰か一人の感覚をテキパキと動いて船に反映させていくことがチームワークなんだろうか。自分が感じる帆船は日本丸みたいに笛の号令でたくさんの人間が動く事なんだろうか。」

 

 

「帆船の主役は“人”だ」

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「帆船に個人の感覚の投影をする事はとても難しい、というかそんな事をできるのはごく限られた人間だ。大勢の人間が一本のロープを同時に声を合わせて引き、同時に食事の準備、掃除、ナビゲーション、操舵、大勢のバラバラの気持ちが、大きな「航海をやり遂げる」という目標に向かって進んでいく感覚、たくさんの違う気持ちがぶつかったり、重なったり、一緒になったりができる、それは学園祭の準備だったり、どこにでも起こることなんだけど、帆船はそんな事が頻繁に、そして簡単に起きる。これは確かにヨットでも、モーターボートでもできるのだけど、とても作為的になってしまったり、天候の良し悪しに左右されすぎてしまったりする、ただ、大型の帆船のように人に対して笛で号令なんて絶対に出したくない。軍隊じゃないし。」

 

 

人が乗り、人が協力し、共感し、互いの違いを感じあいながら狭い船で大きな海を渡り、目的地を目指す。

 

 

「俺は帆船が好きだ。そこに起きる事が好きだ。だから俺の中ではヨットと帆船は原理も魅力も一緒。けれどそこに起きる事、出会える現象は違う。だから俺は帆船にこだわろうと思う。」

 

 

結論

帆船での大きな魅力は海の素晴らしさや、今までにない冒険的な経験ができる事による、成長であったり、純粋に楽しむ事ができるアクティビティーとしての存在です。
しかし、帆船が皆さんに提供出来る、他とは違うセールスポイントは「主役の自分に出会い、主役の他人と出会う事ができる時間を提供できる船」であると思います。

 

今の答えはこんな感じ。頑張って帆船事業作ります。