カナダ・バンクーバーガルフ諸島ヨットの旅③
カナダ・バンクーバーガルフ諸島ヨットの旅③
荒天の準備、ジャックライン(命綱)の準備をしっかりして出港。
いい天気だー。風は緩やかに追い風、ポカポカと日差しが暖かい。
インストラクターボブさんからインストラクションは続いているが、なんせいい天気。船内はとっても和やかな良い雰囲気。
ヨットええわー。カナダの最高の景色が僕たちを迎えて・・・・迎えて・・・
くれなかった。
山々の上にかかっていた黒い雲はみるみるうちに海上に降りてきて、雪がちらつく。
風が息をし始める(強くなり、また弱くなるの繰り返し。だんだん強くなって行く)
たるんでいたセイルがバン!!強く鳴った。風を満帆に受けながら船はどんどんスピードを上げた。
船は傾き海面が近い。今まで素直だったステアリングが重い。船が風上に切り上がろうとするのを抑えることが必死でうまく船を制御できない。
命綱をつけているけどちょっとの油断ですぐに船外に投げ出されることや操船の判断が転覆の危険を呼ぶことが想像できる。
ヨットってこんなにダイレクトな世界なんだ。
「ボブさん、少しウェザーがきつい!(船が風上に切り上がってしまうということ)」
すぐにインストラクターのボブさんがリーフをする判断をした。
海上では インストラクターのボブさんがスキッパー。判断はボブさんがする。僕たちはクルーとして操船する。
舵をとり操船するヘルムスマン、ナビーゲーション(航海士役)、セイルトリム(帆の操作)、食事、ほんとんどのことを僕たちクルー自身が、自分の判断で行い、ボブさんの指導のもと航海が行われる
港で習ったリーフ、船を帆走らせながら行うのは緊張する。風は20ノットを超えてどんどん上がっている。風を抜きジブのみで走りながら作業を行う。
ワンポイントリーフ(第一段階までの帆を縮める作業)を行なっても風はどんどん上がり、視界は吹雪で閉ざされた。
すぐにツーポイントリーフ(第二段階まで帆を縮める)に取り掛かる。一度やったこともう一度やることは普段は難しくないはずなのになかなかうまく進まない。
吹雪の真っ只中。波、風、雪、状況は厳しい。
なんとかツーポイントまでリーフし船は安定して帆走るようになった。
吹雪の中ものすごいスピードで船はバンクーバーのStrait of Georgia(ジョージア海峡)を西に進んで行く。
相変わらず視界はゼロ。多分150メートルくらいは見えてたと思う。
左肩に雪が積もるのをはらいながら舵をとる。
何時間だろう。必死にあんなに舵を握ったのは何年振りか。しがみついていた。という方が表現として正しいような気がする。
波が先ほど違い、不規則になってきた。と思ったら急に目の前に島影が現れた。
ガルフ諸島、ガブリオラ島の南に到着した。
一気に波が消え、島影に入ると風がピタッと止んだ。緊張の糸がぐにゃんと音を立てて緩む。鼻水と涙を拭く。止まらない。
ホッと一息もつかの間。今日の1番の難関としていたガブリオラ海峡をパスしなければならない。ここは潮の流れが速く、あらかじめ時間を計算し見計らって通過しないと船が危険な状態になる。
吹雪と追い風に乗って随分と早くついたので、時間を調整する。交代で舵を取り、船内で暖をとる。
暖かいお茶が本当にありがたかった。
潮がとまる時間、少し前に海峡に入り、視界がほとんどない状態だったが、無事に海峡を抜けた。また広いところになるとあいかわらずの猛吹雪と強い風。
今日の目的地であるPirates Cove(パイレーツコーブ)にアンカーを打った時には達成感とデッキに大量の雪が積もって張り付いていた。
カナダ本当に寒いよ!!
つづく!
カイ
僕たちは海への入り口を作りたい、海で冒険できる世界を作りたいと活動しています。
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