道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である
船の自動運転化は、世界ではどの位進んでいると思いますか?
夜の、ヨコハマ海洋市民大学に参加してきました。
ちなみに、前回のヨコハマ海洋市民大学は、灯台女子の「不動まゆうさんと行く観音崎灯台」だったそう。
灯台女子に会いたかった...!
ヨコハマ海洋市民大学 | 横浜 | 海族|海洋教育デザイナー
この日のテーマは
ふねのゼロエミッション化
〜自動運転化に向けた世界の動き〜
東京海洋大学 清水先生のお話です。
自動車はEV化や自動運転化が進んでいるが、船はどうなるのか?
帆船という、すでに数世代前の形の船に携わっている自分たちもすごく興味のあるテーマ。
人の手で操るセイリングに意味と価値を見出しているけれど、未来の帆船はどんな意味を持つものになるのだろう?
さて、ゼロエミッション化とは、排出をゼロにするということ、つまりここでは排気ガスをゼロにして電気で動かしているということ。
この分野の先進国はノルウェー。
そもそも国内の電力の98%を再生可能エネルギーで作っているノルウェーのフィヨルド観光では、完全電気で動かしている船に400名が乗って片道2時間のクルーズをしているそうです。
この船、カーボンファイバーに強化プラスティックで769トン。
乗りに行きたい。
ここで印象的だったお話が、冒頭の
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」
という二宮尊徳さんの言葉でした。
ノルウェーのやり方は
”綺麗事(寝言?)を考えているのではない”ということでした。
22億円程の建造費に、8000円程の乗船料、お客さんの乗り換え30分中の急速充電の元は再生可能エネルギーの電気。
は、確かに具体的で合理的。
そして、減少・高齢化の続く日本の船員と船の自動化のお話。
1974年 2018年
外航船員 56,833人 → 2,221人
内航船員 71,269人 → 27,844人
これは他国の船員の方が安い、とか、現在の労働環境(文化も含め?)が若い人に合わないなど種々の理由もありつつ、
どの分野の仕事でも起こっている機械化による労働人口の減少も関係していて、船の自動化はまさにその一部のようです。
ただし、清水先生の考えでは「船員はなくならない」。
ただ、少数になった船員の仕事の更なる特殊化、管理する力、関係性を作る力など求められる能力の変化があるとのことでした。
...さて、帆船は?
充実した2時間のお話の帰り道、
帆船はまだまだ必要とされるんじゃないかな、
と思いました。
なぜならそこには体感があるから。
物を運ぶためでも、人を運ぶためでもない船。
操船技術はより安全の為のものになり、帆船の本質はそこで得られる体感と関係性に集まるように思います。
物事を俯瞰して見る力、人と関係性をつくって対応していく力が必要とされる場。
さて、世の中には創業時には寝言に見える会社が多いかもしれません。
寝言からの脱出とは行動にしかないように思います。
来年Spirit of Sailorsは3年目。
振り返って見ると、毎年違うやり方を試して来た日々です。
別の記事で来年の展望を見たいと思います。
エリ
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